2023 年 59 巻 4 号 p. 747-754
【目的】当科で経験した超低出生体重児消化管穿孔例において,その生命予後に関し,術前全身体状態の評価および治療方針と生存例における精神・神経学的予後を中心に検討した.
【方法】当センターが開設された2007年9月以降,当科で治療した超低出生体重児消化管穿孔例を対象とし,性別,在胎週数,出生体重,手術時日齢,手術時体重,手術時間,術前の腎動脈拡張期血流の途絶の有無,術前のDICの有無,穿孔原因疾患,術式について生存例と死亡例で比較検討した.また,生存例における精神・神経学的異常の有無における性別,手術時日齢,在胎週数,出生体重,手術時体重,手術時間,術後経腸栄養と術後静脈栄養について検討した.
【結果】手術時日齢,在胎週数,出生体重,手術時体重は死亡例で低値の傾向があった.死亡例において,術前に腎動脈拡張期血流の途絶およびDICを有意に認めていた.精神・神経学的異常について,術後経腸栄養の開始時期が正常例3.50±0.71日,異常例6.43±2.30日と正常例において有意に早く開始されていた.
【結論】術前の全身状態評価において,腎動脈拡張期血流の途絶の有無およびDICの有無は有効な指標となり得る.正常な精神・神経学的発達には早期の経腸栄養の確立が重要であり,早期の経腸栄養確立の点から腸瘻造設の優位性が示唆された.