2023 年 59 巻 4 号 p. 789-792
症例は1歳女児.月齢7より臍上の腹壁の膨隆を認め,増大傾向にあるため1歳8か月時に当科に紹介となった.臍頭側の腹壁に3 cm大の膨隆を認め,超音波検査,造影CT検査では腹壁内に4 cm大の囊胞性病変と囊胞底部に1 cm大の腫瘤性病変を認めた.腹壁卵黄腸管囊胞を疑い,手術を施行した.手術所見では囊胞壁は脆弱で周囲と強く癒着し,境界は不明瞭であった.囊胞底部に赤色結節状の腫瘤を認めた.囊胞内容液は黄色透明でアミラーゼ値は12,362 IU/ lと高値であった.癒着剥離を行い,囊胞を全摘した.病理検査では囊胞壁は膠原線維,脂肪組織,筋組織からなり,腫瘤部分には小腸粘膜と膵組織を認め,仮性囊胞を形成した腹壁卵黄腸管囊胞と診断した.術後2年が経過しているが,再発は認めていない.