日本小児外科学会雑誌
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症例報告
先天性心疾患を背景として,局所の循環障害から虚血性高度結腸狭窄を来した1乳児例
鎌田 悠子水野 裕貴 岡本 健太郎植木 里乃西潟 綾松岡 健太郎
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2023 年 59 巻 6 号 p. 997-1003

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抄録

症例は3か月男児で,心室中隔欠損症に対し肺動脈絞扼術(日齢24),心臓カテーテル検査(日齢61)を施行後にCRP上昇を繰り返した.造影CTで上行結腸の部分的壁肥厚を認め,上下部消化管造影で腸回転異常と結腸狭窄を疑う所見を認めたため,日齢100に開腹術を施行した.術中所見で結腸固定不良と上行結腸の発赤・壁肥厚を認め,術中消化管内視鏡で同部位の高度狭窄を確認したため,結腸部分切除術を行った.術後CRPは速やかに陰性化した.病理検査で狭窄部の高度炎症と潰瘍形成,虚血性変化を認め,慢性虚血を原因とした結腸狭窄と考えられた.虚血を伴う乳児結腸狭窄について,壊死性腸炎を除く17報告中14例が心疾患の術後や心停止蘇生後など心血管系イベント後であり,本症例も心臓手術・カテーテル後に症状が顕在化していることから,因果関係は不明だが腸管虚血と何らかの関連がある可能性が考えられた.

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