2023 年 59 巻 7 号 p. 1076-1081
インドシアニングリーン(ICG)蛍光法による血流評価を小児絞扼性腸閉塞に行った報告は少ない.症例は生後2か月,男児.下痢,嘔吐を繰り返しウイルス性胃腸炎として入院した.翌日より下痢は改善したが,第3病日に絞扼性腸閉塞と診断され手術を施行した.メッケル憩室とmesodiverticular bandを認め,bandによりメッケル憩室の4 cm口側から回腸末端まで40 cmにわたり回腸が絞扼されていた.絞扼解除後,回盲弁を温存する可能性を探る目的でICG蛍光法を行ったところ,回盲弁より約2 cm口側まで血流を認めた.よって,回盲弁を温存して壊死腸管を切除し回腸を端々吻合した.術後は縫合不全や吻合部の通過障害は認めず,術後11日目に退院した.回盲部の血流を客観的に評価し,回盲弁の確実な温存にICG蛍光法は非常に有用であった.しかし評価法は確立されておらず今後の症例の蓄積が必要である.