2023 年 59 巻 7 号 p. 1082-1087
小児がん患者へ陽子線治療を行う際に,放射線治療用吸収性組織スペーサ(以下,吸収性スペーサー)を使用してスペーサー留置術を行った経験について報告する.【症例1】1歳男児.腸骨Ewing肉腫.開腹下に下行結腸を授動し,腫瘍腹側を覆うように吸収性スペーサー10 mm厚7×5 cmを留置した.【症例2】9歳男児.仙骨Ewing肉腫.腹腔鏡補助下に直腸を授動し,仙骨右側を覆うように吸収性スペーサー10 mm厚5.5×9 cmを留置した.2例とも術後合併症はなく経過し,吸収性スペーサーの留置により腸管線量の低減を図ることが可能であった.また照射終了後の画像検査で吸収性スペーサーの消失を確認した.小児に対しても吸収性スペーサーを用いたスペーサー留置術は低侵襲で安全と思われた.症例によっては,腹腔鏡操作も有用である.