日本小児外科学会雑誌
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症例報告
von Willebrand病患者の待機的腹腔鏡下虫垂切除術において,遺伝子組み換えvon Willebrand因子製剤を使用した1例
横山 新一郎 浜田 弘巳橋本 さつき西堀 重樹縫 明大
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2023 年 59 巻 7 号 p. 1110-1113

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抄録

von Willebrand病(以下,VWD)のType 2Aが既往にある10代女性が右下腹部痛を主訴に当科を受診した.蜂窩織炎性急性虫垂炎と診断し,出血のリスクを考慮して保存加療を行った.その際の血液検査で,血小板数511,000万,PT-INR 1.04,APTT 40 sec,von Willebrand因子リストセチンコファクター活性(以下,VWF:RCo)<6%,血漿第VIII因子活性(以下,FVIII:C)23%であった.糞石を伴う急性虫垂炎であったことから,再燃のリスクを考え3か月後にInterval appendectomyを予定した.手術待機期間中の月経時に,2020年より本邦で使用可能となった遺伝子組み換えvon Willebrand因子(以下,rVWF)製剤を使用し,その際のVWF:RCo,FVIII:Cから周術期に使用するrVWF製剤量を決定した.周術期はVWDの診療ガイドライン2021年版に準じて準備を行った.腹腔鏡下虫垂切除は通常の手技で行い,周術期の出血イベントはなく安全に施行できた.今回我々はvon Willebrand因子の質的異常であるType 2AのVWDを基礎疾患に持つ虫垂炎症例に対し,rVWF製剤を使用してInterval appendectomyを施行した症例を経験したので報告する.

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