2024 年 60 巻 6 号 p. 916-920
症例は11歳,女児.腹部膨満と腹痛を主訴に近医を受診し,腹部造影CT検査で骨盤内腫瘤と多量腹水を認めたため,当院救急搬送となった.造影MRI検査にて右卵巣腫瘍破裂と診断したが,良悪性は不明であった.術中所見で右卵巣に10 cm大の破裂を伴う腫瘍を認めた.卵巣被膜を温存し,腫瘍のみを切除した.病理検査結果より中分化型Sertoli-Leydig細胞腫と診断し,二期的に右付属器切除術+大網部分切除+staging laparotomyを行った.DICER1遺伝子の病的バリアントは検出されなかった.高リスク腫瘍であり,術後化学療法をお勧めしたが,希望されなかった.術後2年を経過したが再発は認めていない.Sertoli-Leydig細胞腫小児例は非常に稀であり,その臨床経過や治療法は未だ不明な点が多い.治療法をきちんと患児やご家族と相談した上で決定し,厳重に経過を診ていく必要がある.