2024 年 60 巻 7 号 p. 997-1003
症例は17歳女性.下腹部痛を主訴に前医受診し,画像検査の結果,虫垂周囲膿瘍または虫垂腫瘤の疑いで当院紹介となった.術前検査からは確定診断に至らなかったが,虫垂悪性腫瘍の可能性を念頭におき腹腔鏡下回盲部切除術を行った.術中迅速組織検査の結果,adenocarcinomaであることが判明したため,D2リンパ節郭清術,右付属器切除術,後腹膜部分切除術を追加し,一期的に手術を完遂した.病理検査の結果,固有筋層までの浸潤に留まっておりリンパ節転移は認めなかった.頻度は非常に低いが,非典型的な経過や画像所見を認める患者においては,若年者であっても悪性腫瘍の可能性を考慮することが重要である.