2025 年 61 巻 1 号 p. 57-60
症例は0歳男児.在胎36週1日,1,856 gで出生した.出生時,会陰外表に肛門や瘻孔がなくレントゲンで腸管ガスを認めた.日齢1に倒立位撮影で高位鎖肛と診断し,右上腹部に横行結腸ループ式人工肛門造設術を施行した.術後ミルク摂取できていたが,日齢8に胆汁性嘔吐とレントゲンで胃十二指腸の拡張を認め,上部消化管造影検査で十二指腸狭窄症と診断し,日齢14に手術を施行した.人工肛門を仮閉鎖して,創部を延長して開腹した.狭窄疑いの部分を長軸方向に切開すると,Y字胆管を伴った十二指腸閉鎖症であった.切開部を短軸方向に縫合し,合併する腸回転異常症に対してLadd手術,横行結腸二連銃式人工肛門再造設術を施行した.Y字胆管による口側と肛門側に交通のある先天性十二指腸閉鎖症が一定数存在する.新生児において開腹手術術前に腸管ガスを認める場合でも十二指腸閉鎖症を合併している可能性があることを慎重に検討する必要がある.