胆道閉鎖症術後長期生存例の外側区域に限局し発症した胆管炎症例を経験した.症例は24歳,女性,生後59日に葛西手術を受け,病型はII-b1-β型,再建術式はRoux-en Y原法で,術後の減黄は良好,胆管炎の発症既往なく成人されていた.SARS-CoV-2感染に続く発熱で来院,静脈血液培養でEscherichia coliが検出され,胆道系酵素の増加が著明であったが,逸脱酵素の増加及び黄疸は軽微であった.腹部CT検査では外側区域門脈域周囲の低吸収域の軽度拡大を認める程度であった.腹部MRI T2強調像では,外側区域と内側区域の一部の門脈域に広がる強い炎症所見を認めたが右葉側には見られなかった.炎症消退後のMRIで左葉内に連続,分岐する胆管と思われる数珠状高信号を認めた.この形態が限局した胆管炎発症の原因である可能性はあるが,葛西手術後に胆管と腸管の吻合が左右の分岐より末梢側で完成することが,肝全体に波及する胆管炎を防ぎ得るとも推測した.