症例は11歳女児.受診1か月前に嘔吐・下腹部痛で近医にて過敏性腸症候群として加療された.症状は一時的に改善したが再燃し,前医を受診した.前医のMRI検査で最大径11 cmの卵巣に連続する囊胞性病変を認め,卵巣腫瘍茎捻転疑いで当院紹介後に夜間緊急手術とした.Pfannenstiel切開で開腹し,S.A.N.D.バルーンで漿液性の囊胞内容液を病変部から吸引し,牽引した.病変部は右側卵巣に連続しており,卵管根部で720°反時計回りに捻転し,卵巣は暗赤色であった.卵管の走行は不明瞭で,卵巣間膜から連続する腫大した病変を認め,傍卵巣囊胞による捻転と診断した.捻転解除と囊胞上皮切除を行い,右卵巣は生検し,温存した.術後病理診断で切除部は卵管上皮であり,卵管水腫による子宮付属器捻転と診断した.現在外来でフォロー中であるが,右卵管水腫の再燃や右卵巣の萎縮は認めていない.小児の卵管水腫による付属器捻転の報告は少なく,文献的考察を含めて報告する.