2025 年 61 巻 4 号 p. 723-727
下血,ショック状態,門脈ガス血症を呈した新生児ミルクアレルギー症例を経験した.患者は,在胎39週4日,3,020 gで出生した男児で,日齢1に嘔吐,日齢3に少量の鮮血便を認め近医で経過観察となっていたが,日齢8に哺乳不良,傾眠傾向,頻回嘔吐,赤褐色水様便を認め前医を受診した.下血,腹部単純X線検査で門脈ガス像,造影CTで腸管拡張を認めたため絞扼性腸閉塞が疑われ緊急手術目的で当院へ搬送された.超音波検査や造影CTでは全体的な腸管壁の肥厚を認めたが腸閉塞や腸管壊死の所見はなく,ミルクアレルギーを疑い保存的治療を行った.その後速やかに症状は改善し,アレルゲン特異的リンパ球刺激試験でκ・βカゼインとラクトフェリンが強陽性と判明し,ミルクアレルギーの診断が確定した.ショック状態,門脈ガス血症を呈していても腹部所見や造影CT画像などの検査所見を十分に検討し,ミルクアレルギーも含めた鑑別診断を行うことが重要と考えられた.