日本小児外科学会雑誌
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症例報告
外科的切除が有効だった肝リンパ管奇形の1例
田中 聡志 好沢 克浅香 志穂高見澤 滋笠井 智子
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2025 年 61 巻 4 号 p. 728-733

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抄録

肝臓のリンパ管奇形(lymphatic malformation,以下LM)に対して外科的切除を行い再発なく治療し得たため報告する.症例は1歳3か月男児.腹部膨隆を主訴に当院を受診し,腹部超音波検査および腹部MRI検査で腹部LMと診断された.3週間後,腹部膨隆が増悪し嘔吐が出現したために入院となった.呼吸不全を認め,集中治療室にて超音波ガイド下に囊胞ドレナージを施行した.症状は改善しドレナージ後1週間で退院したが,腹部膨隆と嘔吐が再燃し3日後に再入院となった.保存的治療は限界と判断し手術を行った.腫瘤は肝左葉下面から発生して肝外性に発育し周囲との癒着や浸潤は認めず,肝臓から腫瘤を剥離し切除した.病理組織診断は肝LMと矛盾しなかった.術後3年経つが,病変の再発は認めていない.肝LMは極めて稀であり,ガイドラインでも治療方針の確立には至っていないが,切除可能病変では外科的切除が有効であると示唆された.

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