2025 年 61 巻 4 号 p. 750-754
症例は14歳,男児.生後2週で初回の人工乳哺乳後にショック,心停止となり救急搬送された.蘇生後に施行した開腹手術にて小腸大量壊死を認め,残存小腸38 cmの短腸症候群となり,小腸瘻を造設した.病理検査によりミルクアレルギー+Hirschsprung病extensive aganglionosisと診断された.4か月時に木村法にて右結腸パッチを施行したが,短腸症候群による栄養吸収不良のため在宅中心静脈栄養は離脱できず継続し,感染等の理由のため9年間で11回の中心静脈カテーテルの入れ替えが行われ,皮下トンネルを作成する胸壁の皮膚トラブルの管理にも難渋するようになった.上腕留置式皮下植え込み型中心静脈ポートを参考にして,上腕にブロビアック®カテーテルを留置した.家族からは胸壁の皮膚の安静を保て,管理も簡便であり好評を得ている.胸壁の皮下トンネル作成に難渋する症例で,年長児や重症心身障碍者などに対しては,上腕留置式ブロビアック®カテーテルも選択肢のひとつと考えられた.