2025 年 61 巻 5 号 p. 823-827
症例は3歳0か月の男児.磁性玩具の誤飲を主訴に救急外来を受診,腹部X線写真で,右下腹部に9個連なった小球型の異物陰影を認めた.翌日撮影の腹部X線写真でも位置が変わらず,体外からの強力マグネットによる牽引でも動かなかったため,腸管を挟み込んでいる可能性があると判断し,下部消化管内視鏡下摘出術を施行した.上行結腸と虫垂開口部盲腸に位置した磁石が腸管壁越しに吸着しており,磁石を摘出したところ,陥入部に潰瘍形成を認めた.術後経過は良好で,術後4日目に自宅退院とした.複数の磁石誤飲は,腸管を挟み込んで穿孔・瘻孔形成を生じる可能性があるため,臨床症状の有無に加え,誤飲した磁石の数と位置を経時的に評価して,内視鏡的また外科的な摘出を速やかに判断すべきである.