2025 年 61 巻 5 号 p. 851-857
症例は手術時6歳女児.3歳時に右頸部腫瘤に気付き,近医小児外科を受診した.右頸部鎖骨上窩に40×20 mmの腫瘤を認め,超音波検査で静脈瘤と診断されたが,疼痛などの症状はなく,一旦経過観察となった.5歳時に静脈瘤が60×20 mmに増大傾向を示し,当院へ紹介された.右頸部鎖骨上の静脈瘤は息こらえで膨隆を認めた.画像診断で静脈瘤と右外頸静脈との交通を認めた.静脈瘤の増大傾向があり,また保護者から整容面に対して治療希望があることから手術適応と判断した.全身麻酔下に静脈瘤摘出術を施行した.病理診断はvenous aneurysmであった.術後合併症なく経過し,軽快退院した.術後2年経過し,再発を認めない.Venous aneurysmは小児では稀な静脈の拡張性病変である.無症状のまま経過する場合もあるが,有症状時や自験例のように増大傾向や整容的問題を伴う症例に対して外科的摘出が推奨される.