2025 年 61 巻 7 号 p. 1030-1034
腎外傷後に尿貯留や血腫ではない腎被膜下囊胞性病変を生じ,その経過中に腎性高血圧を発症した一小児例を経験したため報告する.症例は5歳男児.遊具から転落し,右側腹部を打撲,血尿を認めたため前医を受診した.画像検査で右腎上極に被膜損傷と腎周囲血腫形成を認め,腎損傷II型と診断された.保存的加療後,外来にて経過観察中に経時的な腎被膜下囊胞性病変の増大を認めたため当科紹介となった.当初は尿溢流を疑い,囊胞を穿刺排液しダブルJ型尿管ステントを留置した.病変は一時的に縮小したがその後再増大した.さらに再増大による腎圧迫の影響と考えられる腎性高血圧(Page kidney)を発症したため,降圧薬の内服を開始,ドレーンを留置した.3か月間のドレーン留置で病変は縮小したが,ドレーン抜去後2年の時点でも降圧薬の継続内服を要している.外傷後腎被膜下囊胞性病変が腎性高血圧の原因となる可能性がある.腎外傷後は慎重な経過観察が必要である.