2026 年 62 巻 1 号 p. 54-60
症例は5歳,男児.5か月前より軽度嘔吐を認め,3週間前に上気道炎罹患を契機に増悪し食事摂取が困難となったため前医受診.胸部造影CTで食道全体の拡張を認め当科紹介となった.入院後食道造影検査で食道の拡張と造影剤の通過障害を認め,高解像度食道内圧検査で下部食道括約筋の積算弛緩圧が16.7 mmHg(正常上限15.0)と高値を示しType I食道アカラシアと診断された.Eckardt scoreは4点であった.全身麻酔下にバルーン拡張術を施行し,モサプリドクエン酸と六君子湯の内服を開始した.食事は嘔吐なく摂取可能となり退院した.退院後に嘔吐の再燃を認め,術後3,9,14か月で再度バルーン拡張術を行った.現在最終治療後16か月,食事は制限なく摂取可能で7 kgの体重増加が得られている.