2026 年 62 巻 2 号 p. 172-177
症例1は7歳女児.低位鎖肛に対しカットバック術を施行され,術後は浣腸と下剤で排便管理されていた.6歳時に痔瘻を合併し保存的治療を行ったが効果が乏しく,次第に体重増加不良を呈した.便中カルプロテクチンおよび血清LRGの上昇を認め,精査を進めた結果,クローン病と診断された.
症例2は8歳男児.全結腸型ヒルシュスプルング病に対しSoave法による回腸pull-through術を施行され,術後は浣腸とカテーテルドレナージで排便管理されていた.6歳頃より腹痛と肛門部痛を反復し,7歳半時には鉄欠乏性貧血を呈した.同様に便中カルプロテクチンおよび血清LRG高値を契機に精査を行い,クローン病と診断された.
直腸肛門奇形やヒルシュスプルング病の術後合併症とクローン病の症状は類似する場合がある.特に難治性の症状出現時には全身症状を含めて多角的に評価を行い,クローン病の可能性を念頭に置いた精査が重要である.