日本小児外科学会雑誌
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症例報告
繰り返す腹痛発作に対し腹腔鏡下試験開腹術で診断しえた左傍十二指腸ヘルニアの1例
富永 美璃中山 智理 渡井 有佐藤 英章田山 愛大澤 俊亮木村 翔大安達 聖
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2026 年 62 巻 2 号 p. 188-195

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抄録

症例は腹部手術歴のない12歳の男児.9歳時に上腹部痛を主訴に受診し,その後も腹痛発作を繰り返した.上腹部は常に膨満しており,腹部単純X線写真で著明な胃泡拡大を認めていた.上部消化管造影検査では椎体手前の十二指腸の通過不良があり上腸間膜動脈症候群を疑った.体位調整で造影剤は小腸に流れたが,左上腹部の小腸で造影剤が停滞した.腹部造影CT検査では腸間膜の血管の緩やかな回転像を認めたが,小腸の拡張所見はなく通過障害は認めなかった.約3年にわたり腹痛発作が繰り返され,腹腔鏡下試験開腹術を施行した.十二指腸上行脚の左側,横行結腸背側に小腸が嵌入して口側小腸が拡張していた.嵌入している小腸を還納すると,十二指腸上行脚と下行結腸のあいだに索状物が存在し,下行結腸が内側に引き寄せられていた.その奥にある通常なら正常な解剖である傍十二指腸窩がヘルニア腔となっており,非典型的な左傍十二指腸ヘルニアと診断した.腹腔鏡下試験開腹術は低侵襲で腹腔内全体の検索が可能であり,原因が同定できない腹部症状では症例によって検討すべきである.

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