先天性胆道拡張症(以下,CBD)の術後合併症として吻合部狭窄が知られている.今回,戸谷Ic型CBDに対する腹腔鏡下肝外胆管切除および肝管空腸吻合の4年後にStapler断端による挙上空腸狭窄から胆管炎を発症した8歳女児を経験した.保存療法後にダブルバルーン内視鏡を試みたが到達困難であり開腹手術を施行したところ,内翻したStapler断端が腸管粘膜と癒着し内腔狭窄を形成していた.癒着粘膜を切除して内腔狭窄を解除し,肝管空腸吻合部狭窄に対して胆管拡張バルーンカテーテルで拡張術を行い,術後経過は良好であった.Stapler断端による腸管狭窄は稀だが,本症例では埋没の際の過大な内翻により内腔狭窄が生じており,術後胆管炎の原因の一つとして留意が必要と考えられた.また,CBD術後の胆管狭窄では内視鏡治療が困難であり,再吻合による再狭窄が懸念される際には術中バルーン拡張は有効な選択肢であると考えられる.