気管支学
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原発性肺癌術後気管支断端再発例の検討
木村 秀宇山 正住友 正幸高橋 敬治門田 康正
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キーワード: 肺癌, 気管支断端, 迅速標本
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1992 年 14 巻 4 号 p. 311-315

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抄録
原発性肺癌切除例で,術中凍結切片による組織学的検索がなされ,術後組織学的に断端陰性と診断した29例と,術中凍結切片は必要とせず術後組織学的に断端陽性と診断した4例の,計33例について検討を行った。33例中,気管・気管支形成術を施行したのは8例であった。術中凍結切片にて断端陰性で術後断端再発を認めたのは5例で内4例は癌死した。全例術後放射線療法を行っていない。又,断端陽性であった症例でも,術後放射線療法を行う事で断端再発を全例認めておらず,長期生存例も経験している。術後断端再発例,術後断端陽性と判明した症例はいずれも腫瘍から断端までの肉眼的距離が15mm以内で組織は扁平上皮癌であった。以上より術中迅速標本にて気管支断端が陰性でも,術後放射線治療を考慮する必要があると思われた。
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© 1992 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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