気管支学
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慢性呼吸不全状態を呈した炭素系じん肺(コークス肺)の 1 例
蓑 毅峰水島 豊吉田 良昌小林 正
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1994 年 16 巻 6 号 p. 571-575

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抄録

症例は74歳, 男性。主訴は労作時呼吸困難。19歳から74歳まで約52年間, 電極製造工場でコークスを扱う仕事に従事していた。胸部単純正面像では両側びまん性の粒状・輪状影を呈し, 著明な拘束性換気障害(%FVC=59.6%)と低酸素血症(PaO_2=65torr)を認めた。気管支鏡検査では, 気管支粘膜に広範囲に黒色の色素沈着を認め, BAL液には黒色粉じんが認められた。かつて炭素系粉じんは"inert dusts", また炭素系じん肺は"benign pneumoconiosis"として軽視された時期もあったが, 本例のように慢性呼吸不全状態に陥る症例もあり, 注意が必要であると思われた。

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© 1994 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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