1994 年 16 巻 6 号 p. 576-581
症例は22歳女性, 喘息に罹患。咳嗽の精査のため1993年5月入院となった。胸部X線上, BHLと左肺の浸潤影を認め, 気管支鏡で広範に結節性病変, 粘膜の顆粒状変化を認めた。気管支鏡下, 経気管支肺生検で組織学的にサルコイドーシスと診断した。喘息及びサルコイドーシスの気管支病変の改善目的にベクロメサゾン吸入を行ったところ, 自覚症状は著しく改善, 16週後, 著明な気管支病変の改善, 胸部X線上の改善が認められた。ベクロメサゾン吸入は気管支病変の著しいサルコイドーシスには有用な治療であると考えられる。