気管支学
Online ISSN : 2186-0149
Print ISSN : 0287-2137
ISSN-L : 0287-2137
症例
腹腔内神経内分泌癌を併発した大腸癌術後に肺内結節と縦隔リンパ節腫大が出現しEBUS-TBNAにて診断された肺腺癌の1例
藤原 俊哉神原 穂奈美井原 大輔岡田 真典西川 仁士金原 正志松浦 求樹
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 39 巻 1 号 p. 76-81

詳細
抄録

背景.近年,癌治療成績の向上,早期診断技術の進歩により重複癌症例を経験する機会が増加している.症例.症例は64歳,男性.前医で1年前にS状結腸癌,腹腔内腫瘤に対し,S状結腸切除,腫瘤摘出術を施行された.病理結果は,S状結腸は中分化型腺癌,腹腔内腫瘤は原発不明神経内分泌癌であった.術後6カ月目のCTで右肺上葉に小結節が出現した.さらに5カ月後のCTにて右肺上葉結節が増大するとともに,右下部気管傍リンパ節(#4R)の腫大を認めた.PETでも同部に高度FDG集積を認めたため,当院紹介となった.右下部気管傍リンパ節に対して超音波気管支鏡ガイド下吸引針生検(EBUS-TBNA)を施行し,肺腺癌のリンパ節転移の診断を得たため,右上葉切除,系統的リンパ節郭清を行った.病理結果は肺腺癌,pT1aN2M0 stage IIIAであった.癌治療歴のある症例においては,異時性に出現してきた腫瘍が転移性のものか原発性のものかによって,治療方針が大きく異なる.しかも今回のように原発不明癌が先行病変として存在した場合には,より組織診断の意義が高くなる.結論.EBUS-TBNAによる組織診は極めて有用な方法であると考えられた.

著者関連情報
© 2017 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top