気管支学
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症例
右中葉スリーブ切除を行った気管支原発inflammatory myofibroblastic tumorの1例
西澤 夏將大崎 敏弘小山 倫太郎中川 誠宗 知子小館 満太郎
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2018 年 40 巻 1 号 p. 54-58

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抄録

背景.Inflammatory myofibroblastic tumor(IMT)は,炎症細胞の浸潤を伴う筋線維芽細胞の増殖からなる腫瘍性病変であり,全肺腫瘍の0.04%と稀な疾患であるが,気管支原発IMTはさらに稀である.症例.36歳男性.血痰の精査目的に施行された気管支鏡検査で右中間気管支幹に内腔を閉塞する腫瘤を認め,生検でIMTと診断された.CTでは右2nd carinaより5 mm末梢から15×10 mmの中間気管支幹をほぼ閉塞する腫瘤と,右中葉の完全無気肺を認めた.手術は右下葉を温存し右中葉スリーブ切除を行った.病理所見ではリンパ球や形質細胞の浸潤を伴う紡錘形の線維芽細胞が密に増生し,免疫染色でSMA,vimentin,ALK陽性,AE1/AE3,S-100,desmin陰性であり,IMTと診断した.現在術後7か月経過し,再発なく経過している.結論.気管支原発IMTは非常に稀な疾患であるが,腫瘍の完全切除を行うことが重要である.

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© 2018 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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