気管支学
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膠原病性肺臓炎における活動性の評価 : BAL, TBLB, ^<67>Ga シンチを中心として(BAL か TBLB か, その適応と限界)
佐藤 篤彦谷口 正実早川 啓史山崎 晃渡辺 孝芳岡野 昌彦源馬 均秋山 仁一郎本田 和徳
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1986 年 8 巻 4 号 p. 491-500

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抄録

CVD肺病変にIPFを対比し, BAL, TBLBの診断, 病態における有用性に検討を加えた。また, 肺病変の進展と予後およびステロイド療法の反応性を両検査と^<67>Gaシンチと対比検討した。対象はCVD53例(RA42例, PM-DM6例, PSS3例, SLE2例)とIPF34例であった。CVDのTBLB像はIPFと類似しており, 胞隔の線維増生と小円形細胞浸潤を示す胞隔炎と一部にloose connective tissueを認めた。細胞浸潤はリンパ球増加と相関する傾向にあり, 胞隔の線維化は好中球増加と関連がみられた。肺病変のないRA, SLEではリンパ球高値で, PSS, PM-DMでは好中球高値であった。OKT4^+/OKT8^+はCVDに一定の傾向を認めなかった。胸部X線所見の軽度群はリンパ球高値で, 高度群は好中球高値の傾向があった。予後判定因子としてリンパ球, ^<67>Gaシンチが有用であり, loose connective tissueは臨床経過と相関していた。ステロイド療法はリンパ球高値例に反応を示した。

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© 1986 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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