気管支学
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びまん性間質性肺疾患における BAL と TBLB の適応と限界(BAL か TBLB か, その適応と限界)
門 政男泉 孝英長井 苑子北市 正則平田 健雄大島 駿作藤村 直樹
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1986 年 8 巻 4 号 p. 501-508

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抄録

びまん性間質性肺疾患(サルコイドーシス, 過敏性肺臓炎, 特発性間質性肺炎, 膠原病性間質性肺炎)にBALとTBLBを施行し, 鑑別診断における有用性を検討した。BALF中のalbumin, IgG, ACE, lysozyme, CEA, immune complexおよび活性化T, Bリンパ球の解析から, サルコイドーシス, 過敏性肺臓炎はT-lymphocyte alveolitisに, 特発性間質性肺炎, 膠原病性間質性肺炎はB-lymphocyte alveolitisに分類された。また, リンパ球サブセット(OKT4^+/8^+)を測定することにより, これら4つの疾患は鑑別可能であり, BALはびまん性間質性肺疾患の診断に有用と考えられた。BALF中の液性成分, 細胞成分に対する喫煙の影響は, 疾患群ではほとんど認められなかった。TBLBによる確診率は, サルコイドーシス43.6%, 過敏性肺臓炎5.6%, 特発性および膠原病性間質性肺炎1.1%であり, サルコイドーシス以外は低率で, 特に特発性および膠原病性間質性肺炎ではTBLBの有用性は認められなかった。

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© 1986 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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