気管支学
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瀰漫性肺疾患の診断における TBLB と BAL の有用性の検討(BAL か TBLB か, その適応と限界)
吉川 正洋古瀬 清行北谷 文彦山本 暁
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キーワード: 瀰漫性肺疾患, 診断基準
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1986 年 8 巻 4 号 p. 509-514

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抄録

5年間に, 当院で取り扱った胸部X線写真上, 瀰漫性陰影を呈する108症例を対象に, TBLBを行ない, うち29例には, BALを施行した。TBLBにより確診を得られた症例は12.4%で, その内訳は塵肺症7例, 肺胞蛋白症2例, 混合性肺炎2例, 結核2例, 癌性リンパ管症1例であった。次に, 補助的診断としての有用性を大いに認め, 診断を可能にしたものは48/108(44.4%)で, これらの内訳は, 過敏性肺臓炎15例, DPB13例, PIE8例, サルコイドーシス5例, 膠原病に合併した間質性肺炎5例, LIP, BIP各1例である。また, IIPの可能性あり(山中のA_3)と診断しえたものは13例(12.0%)であり, 残る33例(30.5%)については, 診断不能に終った。BALについては, 補助的診断としての有用性を論ずる段階ではない。

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© 1986 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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