抄録
1998年から2001年までの4年間にわたり, 神奈川県東部柏尾川に生育する絶滅危惧植物ミズキンバイ (Ludwigia peploidea Raven ssp. stipulacea Raven) の動態を調査した。生育規模は4年間で6倍以上になり, 本調査範囲においてミズキンバイは増加傾向にあることが明らかにされた。これには, 初夏季の少ない降水量にともなう新たな中洲の形成が関与していた。遷移過程において, 中洲の大部分がミズキンバイに覆われる初期段階と, 中洲の中心から縁辺に向かいほぼ同心円的にオオブタクサ, オオイヌタデ, ミズキンバイの順となる群落景観を示す後期段階が認められた。この初期段階から後期段階に移行するその直後が各中洲におけるミズキンバイ生育規模が最大になることが示された。