日本緑化工学会誌
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論文
絶滅危惧植物ツチグリ (Potentilla discolor Bunge) のフェノロジーから見た管理方法について
市川 貴美代前中 久行
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2002 年 28 巻 1 号 p. 43-48

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抄録
絶滅危惧植物ツチグリ (Potentilla discolor Bunge) の保全 · 復元のため, 兵庫県内の自生地及び圃場でプランターを用いた栽培実験, 播種実験を行い, 休眠性の有無, 開葉時期, 葉数, 落葉時期, 開花結実時期, 栄養繁殖の有無, 実生数などを調査してフェノロジーを明らかにした。その結果, ツチグリは休眠しない多回繁殖型多年草で, 地上部を刈り取られても速やかに出葉し, 根茎の一部が切断された場合は, 独立個体を形成するような消極的な栄養繁殖を行うことが確認された。播種実験では, 発芽は6∼7月, 9∼10月に多く見られ, 翌年3∼4月にも僅かに発芽した。しかし, 発芽後1年目までの生残率は低かった。ツチグリのフェノロジーから見た場合, 新葉の出葉期と実生の発芽期に合わせた植生管理が, 保全のためには効果的な管理法といえる。
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© 2002 日本緑化工学会
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