抄録
国立公園内登山道に近接した長大な治山堰堤の景観的瑕疵を緩和する目的で河床砂礫による盛土が行われ近隣樹林からの飛来種子による樹林化を図るための生育基盤として植生基材吹付工, むしろ伏せ工が準備された。本論文では, (1)広大な河原への種子飛来の可能性を確認し, (2)施工翌年の発芽 · 枯死調査で植生定着にはむしろ伏せ工が適当であること, (3)続く1年の調査で植生基材吹付工が定着植生の初期成長に対して効果を示したこと, (4)その原因は表土層の水分保持特性と地温変動抑制の差異にあること, (5)樹種により効果に差のあることを述べ, その他の観察 · 調査した諸事項から植生基材吹付工の改善すべき点を議論する。