抄録
東京湾内の主な自然渚, 人工渚におけるマクロベントスの種と個体数さらに海水, 底土等の性質を2001年夏に一斉に比較調査した。種組成による主成分分析の結果,底生動物群集は前浜, 河口, 潟湖という基本的なハビタットタイプによって規定されていた。いっぽう自然渚, 人工渚といった人為的関与の類型による違いは明らかでなかった。主成分得点を環境要因によって重回帰分析した結果,海水の化学的酸素要求量と塩分量および底土のシルト, クレイ率が主要な規定要因だった。しかし同じ前浜ハビタットでも,湾口部と湾奥部では生物相が異なり,水域の影響があることを示した。カニ相は潮間帯のヨシ群落の発達状況とシルト, クレイ率および潮上帯の植生空間の豊富さにより規定されていた。