抄録
ヨシ(Phragmites australis(Cav.)Trin.)およびツルヨシ(P. japonica Steud.)は,水域緑化や河畔緩衝帯の材として高い頻度で導入されている。しかし,これらを取り巻く水圏では侵食,堆積等の攪乱を受けることも少なくない故,各種攪乱に対する両種の耐性,反応を検討する必要性は高い。そこで本論では,攪乱の1つとして地上部の損失に着目,その基礎としてヨシおよびツルヨシ群落を異なる高さで刈取った(低刈り; 強攪乱 / 高刈り; 弱攪乱)。その結果,両種群落は,攪乱強度を問わずほぼ同数の茎を再生した。これに対して,両種群落のC/F比は強攪乱より弱攪乱で,地下茎のTNC(全非構造性糖)含量は弱攪乱より強攪乱で低く,両種群落ともに強攪乱でより大きな負荷を受けることが示唆された。しかし,ツルヨシ群落では,強攪乱に対して旺盛に匍匐茎を再生,新たな群落を形成する傾向にあった。