抄録
乾燥地や半乾燥地では,水分条件の異なる様々な立地が形成されているため,種組成は豊かであり,高温乾燥環境へ多様な適応がみられる。ここでは乾燥条件に対するフェノロジカルな反応を明らかにするために,中国半乾燥地の毛烏素沙地で在来種(油蒿,檸条,沙柳,臭柏の4種類)および外来種(旱柳)の新梢の伸長成長の経過と環境条件の関係を1年間測定した。油蒿以外は5月初めまでに伸長成長を開始した。その時期は平均気温が連続的に10℃を越えるころであった。油蒿,檸条,沙柳,臭柏の在来種は高温, 乾燥条件にあった7月に成長を休止または終了した。一方,外来種である旱柳は継続して成長を行った。その後,油蒿と臭柏は秋に成長を再開した。2度目の成長は降雨と強い関係をもっていた。在来種のうち沙柳のみが地下水面に近いほど旺盛な成長を示した。