日本緑化工学会誌
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技術報告
ラス張工を省略した厚層基材吹付工によるぼた山の樹林化事例
古田 智昭吉田 寛宮地 洋一
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2006 年 32 巻 1 号 p. 207-210

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抄録

福岡県内のぼた山において,多種類の国内産自生種を混播した厚層基材吹付工(斜面樹林化工法)を施工する際に,一般的に併用している緑化基礎工であるラス張工(金網張工)を省略し,生育基盤材に短繊維材を混合することにより造成基盤の耐久性と連続性を高めた施工を行った。2000年5月~6月に施工した1期工事について施工後約5年間,2001年3月~7月に施工した2期工事について施工後約4年間の追跡調査を実施した結果,1期工事では多様性に富んだ修景効果の高い植物群落が形成されていることが確認され,2期工事では成立した木本植物が順調に生育していることが確認され,法面の自然回復緑化手法としてコストおよび工期を短縮した短繊維材を混合した厚層基材吹付工(植生基材吹付工)の有効性が実証された。

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© 2006 日本緑化工学会
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