抄録
メドハギ優占のり面における自生種導入による遷移促進の可能性を探るため,現地近傍の既存林で採取した稚樹を集水保水型植栽袋に植付けた後,切土のり面に張り付けた。植栽後数年で植栽木はメドハギの草丈を超え,植栽後7 年になると大半の樹種で結実が確認された。ただしその時点では,導入樹木の実生による分布拡大は認められず,今後,植栽樹木の樹冠形成に伴ってハギ類が衰退すれば,発芽・生育阻害が弱まり,実生繁殖も増えて遷移が進むと考えられる。一方,クマイチゴは横方向に伸長する根からの萌芽により,メドハギ優占下でも,個体群拡大の可能なことが示された。