抄録
神奈川県北西部に位置する西丹沢山地の玄倉川流域は流域面積約4700 ha,標高差1400 m,平均傾斜45°と非常に急峻な地形を呈している。1923年の関東大地震をはじめ1972年の豪雨などの影響で多くの崩壊が発生し,現在でも当時の崩壊地の残存が見られる。当流域は神奈川県の重要な水源林であることから,崩壊地の特性とその推移,植生回復過程の特徴を捉えることが重要であると考える。本研究では玄倉川流域を対象地とし,流域の地形,地質特性が崩壊地の推移,植生回復にどう影響を及ぼすかを明らかにすることを目的とした。その結果,寄沢層+結晶片岩帯は植生回復が難しく,崩壊しやすい地形であること,標高400~900 m,方位西,南西,北西斜面で崩壊が発生しやすいという結果を得た。