抄録
愛媛県四国中央市にある水資源機構富郷ダムは2001年の管理開始にあわせて,1995~98年にダムサイト掘削法面に,緑化施工を実施し,2007年で9~12年が経過した。急勾配法枠内には,遷移の進行により在来植生に置き換わることを期待して,外来草本,外来マメ科低木と在来木本類の種子を混播した厚層基材吹付工法で施工し,法面小段部及びコンクリートダム堤体と下流側法面の接続部(フーチング)には,当時としてはまだ例が少なかった森林表土採取・撒出し工法を採用した。以降継続してコドラート,植生図等の追跡調査を実施してきた結果,種子の混播組成の違い等の影響が徐々に明らかになってきたので2008年までのデータを踏まえて報告するとともに,今後の岩盤の露出した急斜面等での植生管理に関する課題についてとりまとめた。