日本臨床外科学会雑誌
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症例
食道癌に対するFP療法中に発症した意識障害を伴う高アンモニア血症の2例
早坂 一希野村 尚石山 廣志朗佐藤 多未笑蓮沼 綾子福島 紀雅
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2015 年 76 巻 7 号 p. 1662-1666

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抄録
Fluorouracil (5-FU)の稀ではあるが重篤な副作用として高アンモニア血症がある.大腸癌に対する化学療法による高アンモニア血症の報告は散見されるが,食道癌での報告は少ない.今回われわれは,食道癌に対するFP療法中に意識障害を伴う高アンモニア血症をきたした2例を経験した.(症例1)58歳,男性.Stage IVの食道胃接合部癌に対して化学放射線療法後の追加FP療法4コース目day 5に意識障害が出現し,高アンモニア血症(493μg/dl)を認めた.(症例2)71歳,男性.Stage IIIの胸部食道癌に対して開胸食道亜全摘術後のFP療法1コース目day 6に意識障害が出現し,高アンモニア血症(361μg/dl)を認めた.両症例とも補液,分岐鎖アミノ酸製剤などにて加療を行い,翌日には症状は軽快した.FP療法中に意識レベルの低下を認めた場合,高アンモニア血症を考慮し迅速に対応する必要がある.
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