日本緑化工学会誌
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論文
中国内蒙古毛烏素沙地における過放牧指標植物である牛心朴子(Cynanchum komarovii Al. Iljnski) の分布と地下水位の関係
大藪 崇司戸田 健太郎水野 由芽吉水 祥平堀川 真弘張 国盛三木 直子王 林和吉川 賢
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2008 年 34 巻 1 号 p. 33-38

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抄録
中国内モンゴル自治区毛烏素沙地において,家畜が喫食しないことから過放牧地に比較的大きな群落がみられる牛心朴子の分布と地下水面からの比高との関係を調査した。その結果,広域踏査調査において,牛心朴子は地下水面からの比高として68 cm から314 cm のプロットで出現していた。丘間低地から砂丘上部にかけて行ったトランセクト調査では,地下水面からの比高が140 cm のわずかに地形が変化する砂丘下部において現存量がもっとも多かった。また,砂丘下部では,他の出現種は少なかった。牛心朴子は,砂の堆積に対して茎を伸ばすことにより適応し,地下水を利用しながら生育しているものと考えられた。過放牧により他の植物による被覆が減り,喫食されずに残る本種は,飛砂を抑える砂丘固定植物として利用可能であることが示唆された。
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© 2008 日本緑化工学会
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