日本緑化工学会誌
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論文
ケテイカカズラ(Trachelospermum jasminoides var. pubescens)の気根および巻きつき茎による板塀やフェンスへの登攀特性
佐々井 俊文下村 孝
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2010 年 36 巻 1 号 p. 45-50

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抄録

ケテイカカズラの付着および巻きつきによる登攀特性の調査を目的として,付着登攀用に板塀区,巻きつき登攀用のフェンス区,巻きつき及び付着双方を想定した下半分板塀,上半分フェンス区と,その上下を逆にした区およびダブルメッシュフェンスの内側にスギ板を挿入した区を設けて生育実験を行った。その結果,フェンスもしくはフェンスと板を重ねた場合に登攀が速く,気根の発生は板面において盛んであった。板塀に付着を行った枝がその上部のフェンスに巻きつき登攀することが確認された。以上の結果から,ケテイカカズラは,板塀とフェンスが混在する条件下で生育すると,遭遇した立面に応じて付着と巻きつきのいずれかの特性を選択し,登攀することが明らかになった。

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