抄録
間伐木を利用した筋工の効果を明らかにするため,兵庫県内の人工林15か所において筋工を施工した林分と施工していない林分の侵食土砂量を測定した。その結果,筋工を施工した方が侵食土砂量は少なく,0.070~0.882 3・ha-1・yr-1であった。また,2009年8月台風第9号の豪雨時には,筋工を施工しなかった場合には0.318~4.743 3・ha-1・yr-1となったのに対し,筋工を施工した場合には0.128~1.023 3・ha-1・yr-1に留まり,集中豪雨時にも侵食防止効果が大きく発揮されていた。筋工による保全効果を表すUSLEの保全係数には地点間でばらつきが認められたが,効果が大きかった地点では,山腹工の一種である伏工と同程度以上の効果が得られていた。