抄録
泥炭は北海道に広く分布しているが,高有機質,高含水であるためそのままの状態では土木材料として使用できない。そこで,高有機質,高含水比の特性を利用することで,泥炭を緑化基盤材として活用することを考えた。特に,植生に適していないとされる砂質土および固化材による改良土での,のり面に対して泥炭を緑化基盤材とした試験施工を実施し,植物の生育状況を観察した。施工後数年経過した時点でも,植物の生育は十分であり,のり面に変状のないことが確認できた。ここでは,泥炭の緑化基盤材としての利用方法についてとりまとめ紹介する。