日本緑化工学会誌
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論文
土壌シードバンクの種子密度と種数,種子組成の7 年間の変化
山瀬 敬太郎関岡 裕明藤堂 千景
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2013 年 39 巻 1 号 p. 56-61

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抄録
自然植生復元に有効な土壌シードバンクのポテンシャルを把握するため,兵庫県下3 地域の同一箇所から,2005 年と2012年に森林表土を採取し(計255 地点),実生出現法により種子の密度と種数,組成を比較した。密度と種数を応答変数とし,気候型,林型,採取年,斜面型,傾斜,リター被覆率,土壌硬度,土壌含水率を説明変数,採取地点を変量効果として,一般化線形混合モデルを構築して解析した。密度は,採取年と斜面型の2 要因で推定され,2005 年では採取地点の斜面型が谷>直線>尾根の順に高かったが,2012 年では斜面型に関係なく低下した。組成をみると,人里要素や草原要素の密度が大きく低下する一方で,雑木林・夏緑樹林要素や照葉樹林要素はほとんど変化がなかった。時間経過に伴い密度と組成に大きな変化がみられたことから,復元目標の見直しが必要なことやポテンシャルの評価が不可欠なこと,表土流亡を軽減させる管理が必要なことがわかった。
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