日本緑化工学会誌
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技術報告
島根県松江市におけるタブノキ林の表土を利用したのり面緑化事例
久保 満佐子野田 香
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2013 年 39 巻 4 号 p. 561-565

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抄録

島根県松江市にあるタブノキ林の表土を利用した緑化のり面で施工後8 年目の植生と表土採取地の埋土種子相を調べ,全国に成立するのり面植生と比較した。本調査のり面では,植被率99 % の草本と低木による群落高168 cm の植生が成立していた。調査のり面に生育する木本はアカメガシワやカラスザンショウなどがあり,木本の被度合計は37% であった。草本の被度合計は54 % であり,クズとススキの被度が高く,外来草本の被度は低かった。表土の埋土種子数は10 個/リットルと少なく,表土採取地の優占種であるタブノキの埋土種子はなかった。木本の埋土種子はヒサカキやイヌザンショウが多かったが,調査のり面には生育していなかった。全国的な比較では,施工後月数に対して本調査のり面の草本被度が高く,木本被度が低いことが特徴であった。しかし,草本が優占する中でアカメガシワやヌルデの実生が多く生育していることから,本事例は,在来の木本群落が成立するまでに8 年以上の時間を考慮することを示唆するものであった。

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