抄録
北海道礼文島内の斜面緑化工事において埋土種子を含む表土を用いた植生基材注入工 (表土利用工) の植生モニタリング結果を報告する。調査地は,斜面勾配が急であること,寒冷地で植物の生育が遅いこと,国立公園内であり生物多様性に配慮し,外来種を用いた早期緑化が出来ないことなどから,植物生育基盤の耐侵食性が課題であった。この課題に対して,植生基材注入工を用いて長期間の生育基盤の安定を図っている。植生モニタリング結果では,植被率は緩慢ではあるが増加傾向にある。出現種は,施工後 2年7ヵ月経過している斜面では 32種を確認し在来草本が優占していた。課題として,外来種の割合が多いなどの課題が見られた。