抄録
海岸林の塩害や海水浸漬ストレスが樹木に与える影響の経時変化を明らかにするために,タブノキ,アカマツ,クロマツの苗木を 24時間海水に漬けた後,被害の推移を 2ヶ月間観察した。被害程度は葉の変色度合いの目視による観察に加え,樹液流計測とクロロフィル蛍光収率測定を併せて行った。海水浸漬の被害はタブノキで最も早く現れ,90% 以上の葉で変色した。アカマツは 18日後に変色が発現し,38日後に 95% 以上の葉で変色した。クロマツでは 18日後に一部変色が生じたが,実験終了時点でも 60% 以上の針葉は変色しなかった。いずれの樹種も,樹液流速やクロロフィル蛍光が低下した後に葉の変色が現れていた。さらに,クロマツでは海水浸漬により樹液流速の減少やクロロフィル蛍光の低下が生じた後,回復傾向が見られたが,可視被害では回復傾向は観察されなかった。