抄録
表土撒き出しや種子導入を通した生態的緑化において,事業の成否や手法の優劣を科学的に評価する場合,種ごとの発芽個体数や個体の経時的な生育状況を把握することが重要である。このような種子撒き出し実験を実施する場合の発芽個体数はしばしば膨大となる。それに伴い,調査・入力過程で誤記載・入力の恐れが高まることが少なくない。そこで,労力や人為による過誤低減を目指し,バーコードを用いた発芽個体の効率的追跡調査方法を提案した。分野特有の配慮事項がいくつか挙げられたが,それらを踏まえれば,本手法は撒き出し実験における効率化に寄与しうる調査方法であると考えられた。