日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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多条件シロイヌナズナRNA-seqデータの階層的相関関係に基づくトランスクリプトームダイナミクスの数理モデル構築
*川口 修治飯田 慶松井 章浩原田 えりみ関 原明豊田 哲郎
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p. 0009

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抄録

RNAメタボリズムは生命の生理過程を担う重要な現象であるが、その多くが未知のままである。RNAメタボリズムを突き止めるには、様々なコンディション下でのRNA発現量やエクソン構造の変化パターンをシステムバイオロジー的に特定していく必要がある。本研究では、次世代トランスクリプトームデータであるRNA-seq データをゲノム横断的に統合解析し、トランスクリプトームのダイナミクスを導く数学的モデルについて述べる。RNA-seq データは発現したmRNAを断片化して観測するため、どのRNA分子由来のデータであるかわからない。そのため、断片データからRNAを再現するのが困難である。この問題に対し、我々はRNA-seqの多条件による観測データの相関情報がRNAのエクソン構造とそのダイナミクスを表現するのに適していることを発見した。そこで遺伝子・エクソンなどの様々なスケールで多条件RNA-seqデータから相関関係をモデル化し、これを階層的に紐解くことでRNAメタボリズムに関係するトランスクリプトのダイナミクスを導く。我々は提案モデルを7コンディションのシロイヌナズナRNA-seqデータに適用し、RNAメタボリズムの検出、検出モデルからの機能予測を試みた。

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© 2011 日本植物生理学会
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